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环球时讯:【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 120 [千五百七十四年 九月下旬]

2023-04-30 00:13:14哔哩哔哩

书名 战国小町苦劳谭

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作者: 夹竹桃


(资料图片)

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十四年 九月下旬(*原文网页序列号 - 137)

「くっくっく。当代随一と名高い曜変天目が、全て我が手中に収まった」

“呵呵呵。被誉为当代第一的曜变天目,都已经完全掌握在我的手中了。”

信長は上機嫌で呟いた。曜変天目茶碗は、鉄質黒釉を用いて特徴的な天目形に焼き上げられた天目茶碗の中でも最高峰のものとされる。

信长心情愉快地嘀咕着。曜变天目茶碗是使用铁黑釉烧制而成,被认为是天目茶碗中最高峰的特殊天目形状的茶碗。

南宋時代の一時期に、建窯でごく少数だけ焼かれたという曜変天目茶碗。作者も不明であり、二度と焼かれることもなく、窯元である中国には陶片しか残されていない。

南宋时代的某个时期,只在建窑中烧制了极少量的曜变天目茶碗。作者不详,也不会再次烧制,唯一留存的是在中国窑址中发现的陶片。

完全な形を保っている物は、全て海を隔てた日本にしか存在しないなど、色々と不可解な点を持つが、器の中に星空を見出す雄大な造形は、当時の権力者を夢中にさせた。

完整地保存下来的物品拥有许多不可思议之处,比如只在隔海相望的日本才有存在,但那些内部雕有星空的壮丽器皿令当时的执政者为之迷醉。

茶器に興味を持たない静子ですら、見る角度によって色合いが変わる神秘的な輝きに魅せられた。

即使不对茶具有兴趣的静子,也因为从不同的角度看到它时色彩的变幻而被它神秘的光辉所吸引。

「君台観左右(くんだいかんそう)帳記(ちょうき)の記述通りですね」

“按照君台观左右帐记的描述来看,是这样的。” translated to Simplified Chinese is: “根据君台观左右账记的叙述来看,是这样的。”

足利将軍家が蒐集した宝物の台帳である「君台観左右帳記」には、それぞれの宝物が格付けされ、その姿形や来歴から実際に取引された際の価格に至るまでが記載されていた。

“君台观左右账记”是足利将军家收藏的宝物清单。每件宝物都有等级评定,记录了它们的外貌、历史以及实际交易价格等信息。

曜変天目茶碗を集めるに当たり、偽物を掴まされないためにも君台観左右帳記の内容を頭に叩き込んだ静子は、現物を前にして記述が的確であったことを実感していた。

收集曜变天目茶碗时,静子为了不被骗到假货,把君台观左右账记的内容铭记在心。在面对实物时,她深刻感受到自己的描述是准确的。

「ふむ……津田(堺の豪商、津田宗及のこと)の曜変は他と比べて地味だな。それでも他の茶器にはない輝きを放っておる」

"嗯......津田(堺的豪商,津田宗及)的瑶变比起其他人来还算朴素。但是,它仍然散发着其他茶具所没有的光芒。"

「しかし、強欲な商人が良く手放しましたね。茶器には詳しくないですが、曜変を所有しているというだけで、その財力や権勢を担保してくれる、商人なら誰もが喉から手が出るほど欲しい逸品だとか」

“但是,贪婪的商人很容易放手。虽然我不懂茶具,但我知道有了曜変,商人们就会疯狂争抢,因为它不仅能够保证财力和权力,更是一个名贵珍品。”

「その財や権勢も命あっての物種よ。流石は名うての豪商よな、時流を読み違(たが)わぬ」

那些财富和权势,也只是生命物种的一部分。不愧是有名的豪商,不会误读时代的潮流。

信長は暗に脅して奪ったと嘯(うそぶ)いてみせた。それでいて、口に出すときには相手を褒めて見せるのだから始末が悪い。

信长暗示威胁后夺取了领土,却在口头上恭维对手,这种做法很令人尴尬。

恐らくは方々でも、津田が文物保護の為に進んで供出したと話し、先見の明がある懐の深い人物だと褒めそやしているのだろう。

恐怕在许多地方,人们会谈论津田为了文物保护而自愿提供的事情,并对他具有预见性和宽容的个性进行称赞。

自分の財力を担保する名物を奪われたとは言え、天下人に最も近いと目される信長の覚えが目出度いとなれば、それが代わりの信用を生み出してくれる。

自己的财力担保的明星被夺取虽然可以说是不幸的,但如果能得到被认为是最接近天下人的信长的记忆,则它将产生替代的信用。

自分の立場を正確に理解し、それを利用して器用に立ち回る、政治家としても一流の才覚を見せる信長は流石としか言いようがなかった。

理解自己的立场并巧妙地运用它,信长作为政治家展现了一流的才智,实在令人不得不佩服。

更に言えば、これらは信長が私利私欲の為に集めている訳ではない。朝廷から任された文物保護の名目を掲げ、静子が預かっているという形をとっている。

进一步说,这些并不是为了信长个人私利而收集的。他们以保护宝物为名义,承担了静子掌管的任务,其来源是朝廷。

空手形とは言え、いずれ返却される可能性もない訳ではないため、一縷(いちる)の望みを抱きつつ沈黙を保つ他なかった。

即使是空头支票,也并非没有可能最终被归还,因此除了抱着一线希望保持沉默外别无选择。

既に静子の許には散逸した芸術品や、数多くの書物が集まってきており、それらを集約して国文学や国史の編纂すらも手掛けていた。

已经有很多艺术品和书籍散布到静子的处所,她正在汇集这些物品来编译国文学和国史。

名物を強奪するための名目としては、有名になり過ぎており、面と向かって否を突き付けられる者など居はしないと思われた。

作为抢夺名物的借口,由于过于出名,似乎没有人敢当面反驳。

「……察しました」

"我察觉到了" (wǒ chá jué dào le)

「ほう? 貴様にも『腹芸のいろは』を手ほどきする時が来たか」

"哦?难道该轮到你来学习「腹艺的基础」了吗?"

「真意を隠して伝えられる、上様のご命令を何年も遂行してきた賜物です」

“能够隐藏真正的意图传达,执行上级命令多年的恩赐。”

「はっはっは、貴様も言うようになったな。それも静子ならば裏を察してくれると恃(たの)んでのことよ」

“哈哈哈,你也学会这么说了啊。而且,如果是静子的话,相信她能够理解我的意思。”

からからと信長が笑う。口では殊勝な事を言ってみせるが、従来のやり方を変えるつもりがないというのがありありと窺えた。

信长哈哈大笑着说:“我嘴上说着非常体面的话,但我明显没有打算改变以前的做法。”

当の信長は、並んだ曜変天目茶碗を見比べ、手に取って掌(たなごころ)で遊ばせるなど、終始上機嫌であった。

信长看着排成一排的曜变天目茶碗,拿起来一一比较,用手心玩弄着,一直保持着愉悦的心情。

「ふむ、存分に堪能したわ。だが、価値のある物は、世に出なければ意味がない」

“嗯,我已经充分地享受了。但是,有价值的东西如果不问世就没有意义。”

「上様は、曜変天目茶碗を政治に用いられるおつもりですか?」

「您打算将曜变天目茶碗用于政治目的吗?」

信長の言葉が意味するところを察し、静子が問いを投げ掛ける。当意即妙の対応を見せる静子を満足気に見やると、信長は扇子を広げて自身を扇いでみせた。

感受到信长话语的含义,静子提出问题。看到静子妙语连珠的反应,信长展开扇子扇了起来,满意地注视着她。

「そうは言っておらぬ。しかし、一所(ひとところ)に全ての曜変天目茶碗が揃っておれば、大火や盗難で全てが遺失してしまうやもしれぬ。信用の出来る配下に、分散して管理させればより安全となろう、違うか?」

“并非如此说。但是,如果所有的曜变天目茶碗都聚集在一处,可能会因为火灾或盗窃导致所有茶碗丢失。如果分散管理,交给可信赖的下属更加安全,不是吗?”

「私が目録を作り、現物は各地で分散して保管しているという体で、下賜されるおつもりだという事は理解しました」

“我制作了目录,实物被分散保管在各地,我理解您的意思是赐予它们给我。”

「察しが良すぎるのも詰まらんな」

"察觉能力太强也很烦人"

「お褒めに与(あずか)り恐悦です。価値あるものは使ってこそ、死蔵しては意味がないという上様の方針は判りましたが、流石に即座にというのは外聞が悪いかと」

“受到表扬,感到荣幸。我理解上级的方针是有价值的东西必须使用,而不是闲置无用。但是,立即使用可能会造成不好的外部印象。”

「今すぐにとは言わぬ。東国征伐が成った暁には、それ相応の褒美が必要となろう。それまでは貴様が管理し、貴様が執心しておる『写真』とやらで『君台観左右帳記』を超える資料を作ってみせよ」

“现在就不说了。等东国征服成功后,就需要相应的奖励。在那之前,你管理并一心制作你所谓的‘照片’,并展示出超越‘君台观左右帐記’的资料。”

信長は現物だけに留まらず、それらの姿をありのままに記録するという写真の有用性や、その利用価値をも正確に見抜いていた。

信长不仅仅局限于拥有实物,还准确地意识到了照片记录它们真实形态的有用性和应用价值。

開発が難航しており、高価な様々な試薬を湯水のように使う写真という金食い虫を厭(いと)うのではなく、より推し進めよと背中を押した。

开发进展缓慢,但鼓励继续推进,不要因为使用各种昂贵试剂而消耗巨资、怠慢推进进程。

「はっ、必ずやご期待にお応えしてお見せ致します」

“一定会展现出您期待的模样。”

「そう気負わずとも良い。写しとは言え、当代随一の美術品を手中に出来るとあらば、金に糸目を付けぬ好事家は少なくない」

「不必太拘束自己。虽然只是复制,但如果能够拥有当代首屈一指的艺术品,那么不会在金钱上手软的好事家并不少。」

静子の覚悟を信長は豪快に笑い飛ばした。続いて小姓を呼び寄せると、曜変天目茶碗を片付けさせる。

信长豪爽地笑着挥手打消了静子的决心。然后,他叫来了一个侍从,让他清理曜变天目茶碗。

「近頃は物事が上手く進む、否、進み過ぎておる」

"最近事情进展得很顺利,不,进展得太快了"

曜変天目茶碗に変わって、何の変哲もない湯呑で緑茶を楽しみつつ信長が呟いた。多少の目論見違いはあれど、大筋では信長の計画は順調に推移していた。

在曜变天目茶碗之后,信长喝着绿茶,用一只普通的茶杯轻轻喃喃自语。虽然有些小的计划失误,但总体上,信长的计划进展顺利。

加賀一向宗の領土についても着実に切り取っており、雪の積もる冬までには全体の三分の二ほどを奪える計算だった。尤も維持を考えるなら、三分の二という数字は多すぎるのだが、相手が立ち直る前に可能な限り切り取るのは定石であった。

加贺一向宗的领土也被稳妥地切割,他们的计算是在积雪的冬季之前夺取三分之二的领土。虽然考虑到维护可能有些过分,但在对手重新振作之前尽可能地切割是定式。

「以前にも伝えたが、近く本拠を安土へと移す。新年の仮御殿落成を以て、移り住む予定じゃ。貴様には尾張を任せる、尾張以東へ睨みをきかせよ」

「以前曾经告诉过你,我们将把根据地移至安土。计划在新年时搬迁至新的临时宫殿。你要负责尾张地区以西的事宜,保持警惕。」

「奇妙様が東国征伐を成されれば、そもそも睨む相手が居なくなりませんか?」

「如果奇妙大人征服了东国,那不是早就没有对手可以对视了吗?」

「目が届かぬところに叛意の萌芽あり。いつの世にも不心得者は絶えぬもの、大きくなる前に貴様が刈り取るのだ」

「不受你的注意,有叛意的苗头存在。在任何时代都有不懂事的人存在,趁它还没长大,你要将其铲除。」

「承りました」

"承受了"

「首魁たる本願寺が潰えれば、寺社どもは烏合の衆となろう。元来、統治者の無法に対抗するというのが、武装の建前だったのだ。統治者が武力ではなく、万人が守るべき法で縛る以上、奴らが武装する正当性はなくなる。武力を持つから争いをしたくなるのだ、非武装同士では勝負が読めぬゆえ、下手な動きも出来なくなろう」

「如若主角万古寺倒闭,寺庙将变成一群乌合之众。原本,军装是对抗治理者无法的立场。如果管理者是被法律束缚而不是武力束缚的话,那么他们不再有军服的正当性。他们想要战斗是因为他们有武力。因为非武装者之间无法预测胜负,所以他们无法做出明智的动作。」

確定した未来を話すように淡々と言い終えると、信長は茶で喉を潤した。一息入れると言葉を続ける。

说完像是讲述已经确定好的未来一般地淡淡一口气,信长喝了口茶。稍作歇息后,他接着说道。

「残るは朝廷に巣くう、うらなり共よ。織田の台頭を良しとせぬ公家共が、既得権益を奪われまいと暗躍しておる。それが故かはわからぬが、近頃は『織田はいずれ、高転びに転ぶ』という評を耳にする。驕り高ぶったわしが、足元を掬われると言いたいのであろう」

「留下来的,是栖息在朝廷里的背叛者们。那些不愿意接受织田兴起的公家们,暗中活动,以免失去他们的既得利益。虽然不知道原因,但最近听到有人评价,“织田终将跌落高位”,或许是想说我过于骄傲,会被人从脚下绊倒吧」。

この『高転びに転ぶ』という言は、毛利家の外交役を務めた僧侶、安国寺恵瓊(えけい)が山県越前守井上春忠に宛てたとされる書内の有名な言葉(予言とも言われている)である。

这个名言“高而摔”,据说是曾担任毛利家外交使节的僧侣安国寺惠琼写给山县井上春忠的信中著名的一句话(也曾被称为预言)。

他者の心情を顧みず、苛烈な政(まつりごと)を為す信長では天下は取れない。早晩に信長の天下は終わり、秀吉の世が来ると予見していたという。

只顾自己的心情,采取残酷的政策,信长无法统治天下。据说,他预见到信长的统治早晚会结束,丰臣秀吉的时代即将到来。

恵瓊の思惑がどうであれ、史実にて信長は光秀の裏切りに合い、本能寺で横死している。彼が予見した通り、秀吉がその跡を継いで天下人となり、恵瓊は素早く取り入って毛利家の安泰を勝ち取るという成果を上げた。

无论恵玖怎样心计,史实是信长在光秀的背叛下,在本能寺逝世。正如他所预见的那样,秀吉继承了他的地位成为天下人,而恵玖则迅速巩固了与毛利家的关系并取得了安泰的成果。

本来ならば秘されるべき恵瓊の言葉が、朝廷内で流布(るふ)されている状況というのは、信長を良く思わない勢力が工作していると考えるのが自然だ。

本来应该保密的恵瓊的话语在朝廷内流传,这种情况自然让人想到不善良地图谋活动的力量正在起作用。

「そうですね。上様は合理性を求める余り、心情を軽視するきらいがあります。他にも考え方が先鋭的過ぎて、他者との共感を育み辛いのに、言葉足らずから己の胸の裡(うち)を明らかにされませんし、あと我儘が多い気がします」

“是的。上様追求合理性时常容易忽视情感。他的思考方式也很激进,很难与他人产生共鸣。他说话不够明确,不会展示自己内心的想法,而且有些自私。”

「本人を前にして、よくぞ申したものよ!」

"在我面前,你真是说了好话啊!"

「されど、天下人の器と言えるのは上様を措いて適任者は居りませぬ。自らが先頭に立って変革を推し進め、またその責を負う覚悟を持つ国人など、上様以外には居られません。しかし、上様の治世は長くはないでしょう。上様は良くも悪くも変革者、民衆は泰平を望み、変革を嫌いますゆえ」

然而,能够成为天下人的材料的人除了上様之外,没有其他合适的人选。只有那些能够自己率先推进变革并愿意承担其责任的国人,才能成为上様以外的合适人选。然而,上様的治世不会太久。上様是改革者,无论是好是坏,人民都渴望和平,不喜欢变革。

「ふっ、わしの器には日ノ本は狭い。世が泰平とならば、奇妙に跡を託して、世界に出るのも一興」

“呵呵,以我之才,日本岛已经有些窄了。如果天下太平,留下一些奇妙的传说,走出去看看世界也是一种乐趣。”

「いたっ!」

“疼!”

信長は笑いながら、静子の頭を軽く小突いた。軽くとは言え、武人の一撃に静子は一瞬視界が暗くなった。

信长笑着轻轻戳了戳静子的头。虽然是轻轻的一击,但是对于武士来说,静子的视野瞬间变暗了。

「それに、わしの我儘など可愛いものよ」

“而且,我的任性可爱极了。”

「え!? でもアレが食べたい、コレが欲しいって発作的に……いえ、何でもありません」

「啊!?但是我突然想吃那个,想要这个......不,什么都不想要。」

語る程に険しくなる信長の視線を受け、静子の言葉は尻すぼみに小さくなった。信長も色々と無茶を言った自覚はあるようで、小さく息を吐いた。

受到信长越来越严峻的目光,静子的话语逐渐减弱。信长似乎也意识到自己说了很多过分的话,轻轻地叹了口气。

「己が欲するところを通せずして、何が権力者か。さて、そろそろ昼餉時よな、飯の支度を整えよ。心得ているとは思うが、飯は尾張米の新米だ。味噌汁には豆腐と油揚げが望ましい。菜は、そうよな、先日はダチョウを食したゆえ、此度は尾張九斤黄(コーチン)が良かろう。食後の甘味は、季節の果物を所望する」

「不能达到自己想要的东西,那么什么才是权力者呢。现在差不多是午餐时间了,准备好饭吧。虽然你们应该已经知道,这顿饭的米是尾张米的新米,味噌汁里最好有豆腐和油炸面筋。蔬菜的话,因为上次吃了鸵鸟肉,所以这次尾张九斤黄鸡可能更好一些。甜点的话,想要季节水果。」

信長は開き直ったのか、清々しいまでに我儘な要求を出してきた。無自覚な我儘も厄介だが、開き直られると尚始末に負えないと、己の失言を悔いる静子であった。

信长是否变得不顾一切,提出了令人耳目一新的任性要求。不知不觉的任性也很麻烦,但一旦变得不顾一切,静子就感到自己无法处理自己的失言。

九月も下旬を迎え、尾張・美濃では年貢の徴収が一段落した。今年も予測数値から大きく外れない程度の収穫量を確保でき、冬を越せない餓死者が出る可能性は低い。

九月已进入下旬,尾张和美濃的税收收取工作已经结束。今年的收成大致符合预期,保障了足够的粮食储备,降低了冬季饥荒的风险。

納税の義務を果たしたことで、民たちは神社に赴き、無事収穫を迎えられたことを神々に感謝し、来年の豊作を祈念する。

纳税是人们的义务,通过履行义务,人们前往神社,感谢神明,庆祝丰收,祈祷来年也有好收成。

尾張・美濃では稲作以外の産業も盛んであるため、屠畜などで命を奪った動物たちを供養する慰霊祭も営まれる。家畜や家禽は言うに及ばず、養蚕や養蜂による昆虫や、魚介類などについても一緒に祀る。

在尾张和美濃,除了稻作业之外,其他产业也十分繁盛,因此会举办为在屠宰等过程中被夺走生命的动物祈祷的慰灵祭。这不仅包括家畜和家禽,还包括通过养蚕和养蜂获得的昆虫,以及海鲜等其他食材。

現代に於いても、農業学校などでは実習で犠牲となる動物たちを祀る供養塔が存在し、毎年慰霊祭が行われている。

即使在现代,农业学校等地也存在着祭奠为实习而牺牲的动物的供养塔,并且每年都会进行慰灵祭。

「今年も順調だね。病害や虫害は、拡大前に対処してるから、損害は許容範囲内に収まってる」

"今年进展顺利。疾病和虫害被及时处理,损失在可接受范围内。"

例年の収穫実績から弾き出した予測数値と、彩達が纏め上げたばかりの税収の実績とを見比べ、静子は予実の精度を軽く計算する。

从往年的收成实绩推测出来的数值和彩达刚刚整理出来的税收实绩进行对比,静子轻松计算了预测与实际的准确度。

多少のずれは発生するものの、何らかの対処が必要となる程の誤差は発生していない。しかし、静子の蔵に収まっているだけでは、収穫物に商品価値が発生しない。

虽然存在一定的误差,但并没有发生需要处理的错误程度。然而,如果仅仅停留在静子的库房中,收获物就无法产生商品价值。

無論、そのようなことは民が考える事ではなく、曲がりなりにも為政者たる静子が為すべき仕事である。石高上では五万石となっているが、それは米に限った話であり、多種多様な産物を統合すれば百万石にも迫ろうかという収益となっていた。

无论怎样,这不是民众应该考虑的事情,至少作为执政者的静子应该做到这一点。虽然在“石高”方面达到了五万,但这仅仅是与米有关的收益。如果将各种各样的产品整合起来,收益可能会接近一百万。

港街の整備以来、東国経済の玄関口となっている尾張では、収穫期以外にも常に税収があるというのが大きい。

自从港口整修以来,尾張已成为东国经济的门户,这对于尾張来说,不仅在收获季节有稳定的税收,平时也有稳定的税收是非常重要的。

「尾張米をどう扱ったものかな?」

“尾張米该怎么处理呢?”

手にした帳面上の一ヶ所に、筆で下線を引きながら静子はため息を吐いた。尾張米と言えば、帝の御用米として名を馳せ、天下一品の誉れ高い米となっている。

手中的账本上,静子边用笔勾画着一行,边叹息道。说到尾张米,它是作为天皇供奉用米而著名,被誉为天下第一品的高质米。

口に出来ること自体がステータスシンボルであり、贈答用や祝い事の席には欠かせぬものとなっていた。しかし、名前の通り尾張でしか栽培されず、流通量が限られていることが希少価値を産んでいた。

能够口头传述的本身就是地位的象征,成为了赠礼和庆祝场合不可或缺的物品。然而,正如其名,只在尾張地区种植,其流通量有限,因此产生了稀缺价值。

庶民からすれば一膳ですら目を剥くような値段となる尾張米が、静子の蔵には山と保管されていた。今年の収量が多かったのも一因だが、最大の原因は作付け量を増やしたことにある。

常民眼中的尾張米价格极高,一份饭菜也会让他们目瞪口呆。但是,静子却在库房里堆积了山高的尾張米。这不仅因为今年的收成非常好,更主要的原因是增加了种植量。

信長の方針により、尾張米は静子の村を中心とした、ごく限られた範囲でしか生産されていなかった。しかし、尾張米の需要は信長の予想をはるかに上回った。

根据信长的方针,尾張米只在静子村为中心的非常有限的范围内生产。然而,尾張米的需求远远超出了信长的预期。

その結果、尾張米は食料としてではなく、投機的価値を持つ商品として商人たちが買い占め、値を釣り上げたり、死蔵されたりするようになった。

结果,尾张米不再是食品,而成为具有投机价值的商品,商人们开始囤积、炒作和藏匿,导致价格飙升。

苦心して作り上げた尾張の名産品を金儲けの道具にされては業腹だと、信長は限定していた供給量を増やすことした。

为了防止将辛苦制作的尾张名产当成赚钱工具,信长增加了限定提供量。

しかし、品種改良を施された尾張米は、通常の品種よりも多くの施肥を必要とし、従来の品種に比べて背丈が低いため、水位管理にも気を配る必要がある。

然而,经过品种改良的尾张米需要比普通品种更多的施肥,由于比传统品种更矮,因此还需要注意水位管理。

作れと言われて、すぐに作れるほど簡単なものではないと信長は考えた。そこで必要と見込まれる流通量の倍程度を作付けさせ、静子の村人たちに指導にあたらせた。

被要求制作时,信长认为这并不是一件可以立即制作的简单事情。因此他下令种植了比预期需求量多一倍的作物,并让静子的村民来指导制作。

そして村人たちは信長の期待に見事応えてみせた。半分を見込んだ収穫量は、蓋を開ければ八割以上の収量となり、尾張米がダブつくという珍妙な現象が発生してしまった。

然后村民们很好地响应了信长的期望。预计收成的一半在开封后变成了超过80%以上的产量,发生了尾张米翻倍的奇妙现象。

信長としては投機的商品として価値を崩したいだけであり、尾張米の価格が暴落するという事態は望ましくない。少量ずつ長期的に供給し続ける量を確保する作戦が裏目に出た形となった。

信长只是想将尾张米作为一种投机商品,并不希望看到其价格暴跌。然而,这个策略反而导致了供应量虽小但长期稳定的后果。

尾張米を持て余した信長は、余った尾張米の処理の一切を静子に一任した。一任したと言えば聞こえは良いが、市場に出すことが適わない品であるため、用途は限られる。

名古屋米存货过剩,信长把剩下的所有米都委托给了静子处理。虽然听起来很好,但这些米品质不佳,无法在市场销售,用途十分有限。

「……ひとまず家中にばら撒くかな? 身内で消費する分には、市場価値に影響するとは思えないしね」

「……暂时先散布到家里吗?如果只是在家庭消费,我想不会影响市场价值。」

悩んだ末に、静子は自身の家臣や、織田家譜代の臣を中心に尾張米を贈ることに決めた。それでも尚、余るようであれば加工して別の商品とすれば良い。

经过烦恼,静子决定向她的家臣,以及织田家族中心地区赠送尾張米。如果仍然有余剩的话,可以加工成其他商品。

普段、政治的な贈答に関しては最低限で済ませている静子が、大々的に尾張米を振りまけば野心ありと見做されかねない。そこで、静子は『豊作のお裾分け』という体をとり、各所へと贈る方針を立てた。

平时,静子通常只做最低限度的政治赠送,但如果她大张旗鼓地散发尾張米,就可能被视为野心家。因此,静子决定采取“丰收的馈赠”的形式,向各个地方进行赠送。

「本当ならお酒の方が使い勝手は良いんだけど……残らない気がするなあ。どう思う? 聞き耳を立てている呑兵衛さんたち」

"其实酒比较好用,但感觉会剩下。你怎么看?在倾听的饮酒者们"

静子が帳面から視線を上げないまま声を掛ける、すると襖の影から数名が顔を覗かせた。慶次と才蔵がばつの悪い表情を浮かべつつ、部屋に入ってくる。

静子没有从账目簿上抬起视线,却开口说话,此时几名人从屏风背后探出了头。慶次和才蔵面带难色地走进房间。

「おかしいな、気配は消したはずだったが……」

“很奇怪,明明已经消除了气息,但是……”

「毎年同じやり取りをしているからだよ。心配しなくても慶次さん達が呑む分量は確保してあるよ。悩ましいのは、私の名義になっているお酒の処理だね」

“每年都重复这样的交流,所以不用担心,景次等人的喝酒量已经保证了。让我烦恼的是以我的名义出现的酒要怎么处理。”

酒造事業の元締めである静子には、税として酒の現物が納付される。酒粕や甘酒などは使いようもあるのだが、樽酒となると禁酒令もあって、静子では調理以外では一切消費することが出来ない。ゆえに静子の蔵には、数年の熟成を経た清酒が眠っていたりする。

酒造业的负责人静子会收到以酒作为税收的实物。像酒糟和甘酒可以用来做其他东西,但是如果是樽装酒,由于有禁酒令,静子除了用于烹饪外,不能消费任何酒。因此,静子的酒藏里会有经过几年陈化的清酒。

「上様はそれほどお酒を召されないし、かと言って近衛様には既にかなりの量を回してるから、これ以上は価値の暴落を招いちゃう。他の人に贈ると、また政治的な意味を勘繰られるし……そろそろ置き場所も問題なんだよね」

“上様并不常喝酒,但如果送给近卫先生,又会导致价值的下降。如果送给其他人,还会被怀疑政治意图……而且现在也不好存放。”

思案しつつ、静子は机の上で指を弾ませる。祝いの席で皆に振る舞ったり、多忙を極める黒鍬衆へ差し入れたりもしているが、それでも減るよりも増える量が上回っていた。

思考着的同时,静子用手指敲击着桌面。虽然在庆祝场合里请客待客或向繁忙的人们提供食品,但其实提供的量比消耗的还要多。

尾張米や尾張の清酒と言えば、上流階級の間で折々の進物として重宝される程の地位を勝ち得ていた。京に於いて希少であることに意味があるため、地方とは言え大量に放出しては具合が悪い。

如果提到尾張米和尾張清酒,在上流社会中赢得了一定地位,经常作为礼物受到赞赏。由于它在京都很少见,这增加了它的价值,虽然它是个地方产物,但大量投放并不合适。

「難しく考える必要はないんじゃないか? 静っちが『こうしたい』と思ったことをすれば良いのさ。政治的に問題があるようなら、保護者が出張ってくるさ」

“难道不是没必要想得太复杂吗?只需要做静香想要做的事情就好了。如果出现政治问题,我们的家长会过来解决的。”

「……そうだねえ。今のところ無難なのは、加賀攻めの陣へ差し入れかな。陣中見舞いって形なら、消費するあてには困らないし」

"嗯,我想现在比较安全的做法是向加贺攻击队送些礼物吧。如果以慰问军中的形式送的话,就不必担心会被消耗了。"

「では、柴田殿へ早馬を仕立てましょう」

“那么,让我们给柴田先生准备一匹快马吧。”

「あ、打診は上様経由でしてあるの。上様も消費する分には構わぬと仰っていたし、柴田様からも『お心遣い、痛み入る』って返事を頂いているから、後は規模の調整をしている段階。ただ、明智様だけ陣が離れて、孤立しておられるから、輸送する際に護衛の数を考える必要があるかなって思ってね」

“啊,洽谈已经通过上大人进行了。上大人也说只消耗自己需要的就可以了,柴田大人也回复说‘您的关心让我备感温暖’,现在只是在进行规模的调整阶段。只是因为明智大人独自一人离开了阵地,孤立无援,所以在运送时需要考虑警卫数量。”

「ああ、そう言えば加賀一向宗が柴田軍と戦端を開いた時に、越前側から背後を奇襲したんだっけ? 初手で大きな戦果を攫ったけれど、その後は連携が取れずに孤立気味って話だな」

“啊,说起来加贺一向宗跟柴田军开战的时候,是不是越前方面从背后突袭的?一开始获得了很大的战果,但之后却因为缺乏协作而变得孤立无援。”

慶次の言葉に静子は首肯する。当初、光秀は柴田軍や羽柴軍が加賀一向宗を追い立てるまで、国境付近を固めて静観を決め込んでいた。

庆次的话获得了静子的赞同。最初,光秀一直坚守国境附近,采取观望的态度,直到柴田军和羽柴军迫使加贺一向宗离开。

開戦後も動く気配のない様子を見た、加賀一向宗の首脳部は、明智軍は退路封鎖の部隊と断じて戦力を前線に集中させた。後方への注意が疎かになった機を逃さず、突如として明智軍の伏兵部隊が急襲を掛けた。

在战争开始后,加贺一向宗的领导层看到明智军没有任何行动的迹象,便断定明智军是在封锁退路的部队,于是将战斗力集中到前线。然而并未忽视后方的注意,就在此时,明智军的埋伏部队突然袭击了他们。

この光秀の用兵は、柴田達にも伝えておらず、完全な不意打ちとして機能し、あわや二曲(ふとげ)城を陥落寸前まで追い込んだ。

这个光秀的战术未告知柴田团队,以完全的突袭方式发挥作用,几乎让二曲城陷落。

とは言え、明智軍も本隊ではなく、遊撃隊であるため数で劣る。攻め落とすのが無理だと判断すると、即座に防衛設備の破壊へと方針転換し、櫓や武器庫に火を掛け、城門を閉じられないよう工作すると、鮮やかに引き上げてみせた。

然而,明智军队也不是正规部队,而是游击队,人数上劣势较大。一旦判断攻城不可能成功,他们会立即转变策略并开始破坏防御设施,纵火攻击城楼和武器库,并利用各种工具封锁城门,然后迅速撤离。

この一連の動きのお陰で、柴田軍は一気に深くまで攻め入り、二曲城に籠る加賀一向宗は、堀と廓を恃みに絶望的な籠城を強いられていた。

在这一系列的行动下,柴田军队迅速攻入深处,被困在二曲城的加贺一向宗因依赖堡垒和街道而被迫进行绝望的围城。

奇しくも光秀の奇襲により、加賀一向宗は打って出る方針から籠城へと舵を切った。柴田軍としても深追いを避け、鳥越(とりごえ)城との連携を断つよう動いており、膠着状態に陥っていた。

由于奇怪的信长突袭,加贺一向宗从打出去的方针转向了坚守。作为柴田军的他们也避免深入,试图阻止与鸟越城的联系,并陷入僵局状态。

しかし、この一連の攻防によって、加賀一向宗の主力部隊は大きく数を減らしており、光秀の戦功は誰もが認めざるを得なくなった。

然而,通过这一系列攻防,加贺一向宗的主力部队损失惨重,光秀的战功不可避免地得到了认可。

「一応挟撃の形になっているけれど、明智様の部隊は数が少ない。おまけに、柴田様や羽柴様を囮に、抜け駆けした形になっているから、とても応援は望めない。かといって兵を下げる訳にもいかないから、難しい判断を迫られるね」

“虽然在合围的形式下,明智大人的部队人数较少。再加上以柴田大人和羽柴大人为诱饵,形成了绕路的情况,因此无法期望得到援助。但是又不能撤军,所以面临着非常艰难的判断。”

「それを承知で抜け駆けしたのだろう。私見だが、いくさってのは何をやっても勝てば良いってもんじゃないと思うがな」

“你明知道这一点还是趁机擅离职守了吧。我个人认为,战争并不意味着无论用什么手段赢了就是好的。”

「同感だ。明智殿のやり様では、何時(いつ)出し抜かれるかと不安になり、とても隣や背後を任せられない。自分達だけは見捨てられぬと、無根拠に思い込めるほど能天気にはなれぬ」

“我同感。在明智大人的做法下,总是会感到不安,担心何时会被出卖,无法放心地依赖邻居和背后的人。我们只能无据地认为自己不会被抛弃,因此无法乐观起来。”

(予想していたけれど、やっぱり明智様の評判は悪いなあ……)

(虽然我预料到了,但是明智先生的名声还是很糟糕啊……)

頭が切れすぎるが故に、独断専行に陥り易く、皮肉屋という訳ではないのだが、どうにも空気を読まない発言が目立つ。抜きん出た能力故に重用されているが、協調性に欠けると思わざるを得ない。

由于过于聪明,容易陷入独断专行的状态,虽然不是个讽刺者,但很难避免说出一些不顾及气氛的话。因为特别出色的能力而备受重用,但难以避免缺乏合作性的问题。

背景を理解しているとはいえ、静子では光秀をどうこうすることは出来ないし、する気もない。

即使了解背景,静子也无法对光秀采取任何行动,也没有这个意愿。

「まあ、私たちが口出しするようなことじゃないし、深入りしないようにしましょう。さて、明智様の処へは、誰が赴くべきかな?」

“嗯,这不是我们该干涉的事情,我们不要深入探讨。那么,谁应该去明智大人那里呢?”

「俺が行こう」

"我去"

差し当たっては、最も危険が予想される光秀の陣へ荷を運ぶ隊の護衛役を思案していると、お世辞にも仕事熱心とは言えない慶次が手を挙げた。

目前我们正在考虑如何为前往最危险的光秀阵地运输物资的队伍安排护卫任务。在这时,并不擅长工作且缺乏热情的景次也举手发言。

「……輸送部隊を護衛するだけだよ?」

“只是护卫运输队吗?”

「そこは、理解しているさ。大将が嫌われ者でも、末端の兵たちは命を張っているんだ、その漢気に報いてやろうって言う馬鹿が居ても良いだろう?」

“我理解你的意思。即使主将不喜欢,基层士兵也在冒着生命危险。有人要回报这种勇气,这难道不好吗?”

「んー、そう言う馬鹿は嫌いじゃないかな。では、明智様への輸送部隊の護衛を、慶次さんにお願いします」

"嗯,我不讨厌这样的笨蛋。那么,我请求景次先生护送明智桑的运输队。"

「任せろ」

"任你处置"

傾奇者の流儀を好む静子は、慶次の意見を尊重することにした。

喜欢傾奇者流派的静子决定尊重景次的意见。

「馬廻衆の仕事は……いや、言うまい。そういう奴だな、貴様は」

“马廻众的工作是……算了,不说了。你这种人就是这样。”

光秀の部隊が孤立しているからこそ、敢えて激励に向かう。上の思惑はどうであれ、現場の兵たちは命懸けで踏みとどまっているのだ。部隊の数が少なく、手薄だということは敵からの襲撃を受けやすい事も意味する。

光秀部队孤立无援,我们勇往直前以激励士气。不管上级的想法如何,现场士兵们仍然不顾生命坚守阵地。由于部队数量较少、防守的空隙也就相应变大,堪受敌人的攻击。

逆境の中、応援に駆け付け、あわよくば敵に一泡吹かせてやれれば痛快というものだろう。そんな傾奇者のどうしようもない性(さが)を感じ取った才蔵は、黙って見送ることにした。

在逆境中赶来支援,如果能够成功地打败敌人,那将是一种痛快的感觉。才藏察觉到了这种倾奇者无可救药的性格,默默地送别了他。

「流石に柴田様の陣へは私自身が赴かないと駄目かな。部下に危険を押し付けて、本人は後方に引っ込んでいるってのは外聞が悪いよね」

"毕竟我必须亲自前往柴田阵营,让部下承担风险,自己却躲在后方可不好听。"

「静子様でなければ出来ぬ仕事ではありますまい。無用の危険を避けるのは上に立つ者の義務でございます。某が名代をお務めいたしましょう」

"如果不是静子大人,这项工作可能无法完成。避免不必要的危险是领导者的责任。某愿意代表出任此职。"

「うーん、そうかなあ?」

"嗯,这样吗?"

特に急ぐ用事があるわけでもないのなら、自身が出向いた方が良いのでは? と思っていると、小姓が足満の帰還を告げた。

如果没有特别急迫的事情的话,自己前去会更好吧?正当我这样想的时候,侍从传来了足满归来的消息。

すぐにこちらへ通すよう、小姓に命じると才蔵へと向き直った。

立即命令侍从通知我这里,然后才转向才藏。

静子が僅かに視線を外した間に、いつの間にやら慶次が室内から消えていた。危険の伴う任務の前に、景気づけとして花街にでも行ったのだろう。

在静子稍稍移开视线的瞬间,不知何时,景次已经从房间里消失了。可能是为了打气,去了花街吧,在危险的任务前。

示し合わせた訳でもないのに、静子と才蔵は互いに肩を竦(すく)めて苦笑した。やがて廊下から足音と共に、やや着ぶくれた出で立ちの足満が入ってきた。

即使没有事先协商过,静子和才藏仍然相互耸肩,苦笑着。不久,脚满的略微膨胀的身材随着脚步声走进了走廊。

「まずは、お役目ご苦労様でした。帰還早々で申し訳ないんだけれど、取り急ぎ概要だけでも口頭で報告お願いします」

"首先,感谢您的辛勤工作。虽然我很抱歉回来就匆忙报告,但请您口头简要告诉我概要。"

「インフラ整備に関しては、自然が相手ゆえ多少前後もしようが、後は時間の問題だろう。問題は上杉家のお家騒動よ、静子の読み通り不穏な事態になっておる。今は不識庵が睨みを利かせておるが、景虎(北条氏康の実子)陣営がきな臭い動きをみせていた。不識庵が長く越後を空けるような事になれば、武装蜂起もあり得る」

「基础设施建设方面,由于自然环境的影响,可能会多少出现变数,但总的来说是一个时间问题。问题在于上杉家内部的家族纷争,如静子所预测的那样情势不妙。目前虽然不识庵(北条氏康的忠实部将)在掌控着局面,但景虎(北条氏康的亲生儿子)那一方也显示出可疑的动向。如果不识庵长时间离开越后地区,武装起义也是有可能发生的。」

「ふむふむ。となると、織田家が東国征伐に注力している時が危ないかな? 上様なら敢えて蜂起を誘って潰すかも……うーん、一度相談をした方が良さそうだね」

“嗯嗯。如果这样的话,当織田家专注于向东方发起征伐时,危险可能会出现吗? 英才的话可能会故意发动起义并粉碎它......哦,似乎应该先商量一下。”

反織田の旗頭であった武田家を失った今、本願寺にとっての頼みの綱は、東国の雄である北条を措いて他にない。この頃になると、顕如が各方面に送る文面も弱含みとなり、かつての檄を飛ばす勢いは鳴りを潜めていた。

失去了以反織田旗帜为标志的武田家族,本愿寺唯一能寄托希望的只有东国雄主北条。至此,顕如派往各地的文书也逐渐变得温和,曾经鼓吹的气势已经消失殆尽。

万が一、北条までもが織田家に降れば、本願寺の命運は尽きてしまう。顕如としては下手(したて)に出てでも、北条を囲い込む必要があった。

即使有万一,连北条也投降给织田家,本愿寺的命运也将结束。顯如认为需要即使冒险也要围住北条。

「……面倒な話だね。逆を返せば、北条を除けば東国は平定したことになるのかな」

“这真是麻烦。换句话说,如果不考虑北条的话,东国算是被平定了吗?”

「そうなるだろう。それよりも、少し耳に入れておかねばならぬ話が出来た。報告に寄った岐阜で、織田殿より文を預かっている」

"很可能会是这样。但更重要的是,我需要告诉你们一些需要注意的事情。在去报告的途中,我从织田殿那里接到了信。"

そう言うと足満は、懐より封が施された文を取り出した。静子が内容を検(あらた)めると、信長の大和行きに同行するようにと、日程と順路が記されていた。

这时,足满从怀里取出一封信。静子检查后发现,信中写着要她同行前往信长前往大和的行程和路线。

文面から見て、一度京で合流してから大和へ向かうということが読み取れた。しかし、今の時期に信長が大和へ向かう狙いが判らない。

从文面上看,可以看出要在京都汇合后前往大和。然而,我不知道信长在这个季节前往大和的目的。

特に意味もなく文を矯(た)めつ眇(すが)めつしていた静子だが、ふとあることに思い至った。

特别是没有任何意义地改变和挑剔句子的静子,突然想到了某件事情。

「筒井と松永との確執の件かな?」

“是关于筒井和松永不和的事情吗?”

筒井とは『大和四家』に数えられた筒井氏を指し、当代は筒井(つつい) 順慶(じゅんけい)が立っていた。この順慶と松永久秀には少なからず因縁が存在する。

筒井指的是被称为“大和四家”的筒井氏族,现任族长是筒井顺慶。顺慶和松永久秀之间存在一些恩怨。

順慶はかつて松永によって居城の筒井城を追われ、暫し雌伏の時を過ごした。その後、三好三人衆と結託した順慶は、松永久秀から筒井城を奪還したという経緯を持っていた。

顺庆曾经被松永追逐,被迫离开他的居城筒井城,在暗中藏身了一段时间。之后,顺庆与三好三人合作,成功从松永久秀手中夺回了筒井城。

端的に言えば、互いに殺し合った二人が、共に織田を主君と仰ぐようになったのだ。そう易々とは手を取り合える仲では無かった。

端的说,曾经互相残杀的两人竟然都成了以織田为主君的同盟。他们之间的关系可不是那么容易就能合作的。

一方の松永久秀は信長に臣従すると、彼の命に従って多聞山城(たもんやまじょう)を明け渡していた。多聞山城には光秀や柴田などが当番制で入ることになり、大和の民に織田家の勢力下となった事を知らしめていた。

其中的松永久秀向信长屈服,并且遵从他的命令,交出了多闻山城。多闻山城由光秀和柴田等人轮流驻守,向大和地区的民众宣告了織田家的势力已经扩大。

とは言え、松永は居城を奪われたまま大人しくしているような人物ではない。少しでも織田に綻びが見えれば、その喉笛に噛みつくべく虎視眈々(こしたんたん)と機会を窺っていた。

然而,松永并不是一个安静地忍受被夺走领地的人。只要能看到织田家出现一点裂痕,他就会虎视眈眈地等待机会,向他们咬掉喉咙。

こうして、互いの思惑が絡み合った結果、未だに大和にはきな臭い戦乱の気配が漂っているのであった。

就这样,双方的想法交织在一起,导致到现在为止仍然可以感觉到大和国弥漫着战乱的气息。

「織田殿の狙いは、大和の権力者から民草に至るまで、支配者は織田であると示すつもりであろう。ふむ……松永については、わしから話をつけてやれそうだな」

“織田殿的目的是要展示他是大和地区从权力者到普通百姓的统治者。嗯……关于松永,我看我可以跟他谈谈。”

「え? 足満おじさん、松永久秀と交流があったの?」

「啊?足满叔叔和松永久秀有交往?」

「うむ。わしは、あ奴に『とても世話になった(・・・・・・・・・)』し、こちらも何かと『世話をしてやった(・・・・・・・・)』仲だ。一方(ひとかた)ならぬ交誼を結んでいると言っても過言ではなかろう」

“嗯。我和那个家伙彼此照顾,我们之间有一种非同寻常的友谊,我很感激他为我所做的一切,同时我也尽力帮他。”

実に楽し気な笑みすら浮かべて足満が頷いた。凡(およ)そ社交的とは言い難い足満が、それほど懇意にしているとは信じがたい静子であったが、あて推量で交友関係に口を挟むわけにもいかず、疑問を飲み込んだ。

脚满露出了极其愉快的笑容点头。虽然脚满不容易讲社交,但静子不敢揣测他的交际关系,只好将疑问咽下。

「それじゃあ、上様が大和へ着かれた折に、挨拶に参じるように手配をお願いできるかな? 筒井氏は上様に母親を人質に出しているぐらいだから、言われるまでもなく来るだろうけど……念のため文を出しておこう」

“那么,在上大和时,我们可以安排前去拜访吗?筒井家为了保持他们的母亲人质,肯定会来,但为了以防万一,我们需要发个信。”

信長が一軍を率いて大和入りし、同時に当地の有力者たちが挙(こぞ)って挨拶に赴くという構図は、将兵や民草にも判り易く支配構造をアピールする機会となるだろう。

信长率领军队进入大和地区,同时当地的有影响力人物们纷纷前来致意,这样的场景不仅能让士兵和民众易于理解支配结构,也是宣扬权力的机会。

「それじゃあ、慶次さんと勝蔵君は加賀へ、与吉君は引き続き安土に残留。となると、私は才蔵さんが柴田様の陣から戻り次第、上様に同行することになるかな?」

“那么,慶次先生和勝藏先生去加賀,與吉先生留在安土,我等才藏先生从柴田大人的营帐归来后,可能会随上大人一起前往吗?”

「大和へならば、わしも同行しよう。他ならぬ松永が絡んでおるのだ。わしが直接出向いて、少し奴と『話し合い』をする必要があるだろう」

「如果是前往大和的话,我也会同行。调查的对象正是松永。我必须直接前去与他进行‘谈判’。”

「そうだね。上様の前で筒井側と揉められても困るから、その辺りは交友のある足満おじさんにお任せするよ」

“那是这样的。在高层的面前和筒井方面闹矛盾也很麻烦,这件事就交给和我们有着交情的足满大叔吧。”

「居城も失い、弱り目の松永にとっては悪い話ではなかろう。知己にも等しいわしが仲裁に入るのだ、よもや『無下にされる』ことはあるまい」

“对于失去了居城、如今也十分虚弱的松永来说,这不是一个坏消息。我相当了解他,将会进行调解,不会有‘被无视’这样的事情发生。”

松永からすれば弱り目に祟り目という災難でしかないのだが、実に上機嫌に話す足満の言葉を疑うものはその場にいなかった。

对于松永来说,这只是倒霉的事情,但在场的人没有人怀疑足满满心愉悦的话语。

「上様が大和滞在中に問題を起こしたら大事(おおごと)になるからね。筒井側も大人しくせざるを得ないし、松永側は足満おじさんが抑えてくれるんでしょ? 上様の前でひと悶着起こそうものなら、どんな処罰が下されるか判らないからね」

“如果上大人在大和逗留期间出了问题,那会变成大事。筒井一方也不得不保持冷静,而松永一方会被足满叔父抑制吧?如果在上大人面前惹出麻烦,那么可能会受到何种惩罚就不知道了。”

松永は信長が欲してやまない茶釜である古天明(こてんみょう)平蜘蛛(ひらぐも)(以降、平蜘蛛と呼ぶ)を所有していた。松永は信長に臣従する際に、名物『九十九髪(つくもかみ)茄子(なす)』を献上したが、平蜘蛛に関しては幾度所望されようとも、決して譲ろうとはしなかった。

松永拥有信长所渴望的古天明平蜘蛛茶壶(以下简称平蜘蛛)。在臣服于信长时,松永献上了名物“九十九髪茄子”,但关于平蜘蛛,无论受到多少要求,他都决不让步。

こうした経緯もあって、平蜘蛛を差し出せば喧嘩両成敗となっても松永側には手心が加えられる可能性が高い。筒井側としては先に手を出せば必敗の状況となり、松永さえ抑えられれば大きな問題は起こらないと予想できた。

由于这样的历程,即使交出平蜘蛛会导致双方打架,但是松永一方很可能会宽容。对于筒井来说,如果先动手就会陷入必败的局面,只要控制住松永就不会发生大问题。

「いつかは平蜘蛛も名物調査の一環で預かることになるだろうけど、今の時期は抑止力になるから手を出さない方が良いかな」

“可能有一天平蜘蛛也会成为名物调查的一部分,但现在它们是一种威慑力量,最好不要去碰它们。”

「ほう……そう言えば、静子は東山御物も蒐集していたのだったな」

“哦……说起来,静子好像也收集了东山御物。”

「別に金銭的価値があるから欲しい訳じゃないんだけどね。私達の時代に遺失したとされるものを後世に残せるなら、私がこの時代に生きた意味があるのかなって」

“不是因为有金钱价值才想要,只是如果能留下我们这个时代失落的东西给后世,那么我们这个时代的存在就有意义了。”

「そう気負う必要もあるまい。まあ、松永についてはわしに任せてくれ。悪いようにはせん」

“也没必要这么紧张。嘛,关于松永的事情就交给我吧。我不会让事情变糟的。”

「うん、お願いするね。こっちは大和行きの計画を練るよ」

“嗯,我会帮忙的。这边正在制定去大和的计划。”

「任された。(奴がどの様な顔をするかが見物だな)」

“已被委托。(看看他会露出什么样的表情)”

松永が足満からの手紙を受け取って、どのような表情を浮かべるかを想像するだけで、薄っすらと笑みが込み上げてくる足満であった。

只是想象到松永收到了来自足满的信后会露出怎样的表情,足满脸上就浮现出了浅浅的微笑。

信長の大和行きが着々と進む中、石山本願寺では内紛の兆しが見えつつあった。

信长前往大和的行程稳步推进,而石山本愿寺出现了内讧的迹象。

原因は幾つもあるが、大きなものとしては信長が新たに拓(ひら)いた街道の存在があった。伊勢を経由して、尾張と堺を陸路で結ぶ整備された街道は、中小規模の商人たちの交易を盛んにした。

原因有许多,但其中较大的一个原因是信长新开辟的街道的存在。通过伊势连接尾张和堺的整备良好的陆路交通,促进了中小规模商人之间的交易。

伊勢を支配下に置いた信長は、尾張で培った海産物の養殖技術を伊勢にも持ち込ませた。養殖が軌道に乗るのに先んじて、加工施設が稼働を始め、干しアワビや干しナマコが比較的安価で流通するようになった。

德川家康在伊势上台后,也将尾张繁盛时期的海产品养殖技术带到了伊势。在培养海产品养殖产业之前,他先构建了加工设施,并开始生产低价的干鲍鱼和干海参以促进流通。

干しアワビや干しナマコは、隣国明(みん)に於いて乾貨(ガンフォ)と呼ばれ、干し椎茸と並んで人気が高い商品だ。重量当たりの利益率が高い商品として知られながらも、従来は商船を擁する大商人でなければ商(あきな)う事が出来ない憧れの商材でもあった。

晒干的鲍鱼和海参,在邻国明(みん)被称为干货(ガンフォ),与晒干的香菇一起是受欢迎的商品。虽然以每重量的利润率高而闻名,但一直是仅仅由拥有商船的大商人才能经营的憧憬之材。转化为简体中文为:晒干的鲍鱼和海参,在邻国明(民)被称为干货,与晒干的香菇一起是受欢迎的商品。虽然以每重量的利润率高而闻名,但一直是仅仅由拥有商船的大商人才能经营的憧憬之材。

しかし、信長が拓いた街道ならば、大店(おおだな)と呼べないような小さな商人たちにも一攫千金(いっかくせんきん)のチャンスが与えられた。

然而,如果说信长拓展的道路,给那些名不见经传的小商人们带来了一夜暴富的机会,这些小商人们即使无法称之为大商铺,却也能够获得一定的商机。

その結果、さながらゴールドラッシュに沸き立つアメリカ西部のような盛況が、伊勢を中心として繰り広げられることとなった。

由此,以伊势为中心展开了犹如美国西部淘金热般的繁荣景象。

一攫千金を夢見て、野心を抱いた商人たちが全国から集まり、商品を仕入れて全国へと散っていく。大商人たちは従来通り、海運での海外貿易を行い、それ以外の商人たちは陸路で国内の流通を担って自然と棲み分けが出来た。

一攫千金的商人们怀抱着野心自全国汇聚,购进商品并四处散发,希望赚回大量财富。大商人们继续进行海外贸易,而其他商人则负责国内物流,自然地形成了居住地的区分。

人が集まるところには需要が生まれ、それを商機として市が立つ。市を目当てに更なる人々が集まり、周辺の一帯にはかつてない程の金が落ちることとなった。

人群聚集的地方会产生需求,进而成为商机并且带动城市的繁荣。为了到访城市,更多的人聚集于此,吸引了大量的财富涌入周边地区,这是以前所未有的。

こうしてお膳立てを整えた信長は、この巨大な権益構造の一部を石山本願寺に与(くみ)する勢力、それも根来(ねごろ)衆や雑賀(さいか)衆(太田党)に分け与えた。

就这样筹备充分的信长,将这个巨大的权益结构的一部分分配给了石山本愿寺,这些力量包括根来组和杂贺组(太田党)。

敵を利するだけの行為だけに、最初は罠を疑った根来衆や雑賀衆たちだったが、かつてない勢いで膨れ上がる財貨に我慢が出来なくなった。

只是为了让敌人受益,最初怀疑是陷阱的根来众和杂贺众,但是由于前所未有的财富膨胀,他们无法忍受。

雑賀衆は元々商人集団としての側面も持っており、商人たちが交易の安全を担保するために武装した結果、傭兵集団になったという説もある。

雑贾众原本也具有作为商人团体的一面,据说商人们为了确保贸易安全而武装起来,结果变成了雇佣兵团。

そして彼らは商人として培った縁故により、西は九州から東は北関東までをもカバーする伝手を持っていた。命懸けのいくさに出ずとも、商(あきな)いで金が得られるとなれば、商人に立ち返る者も当然出てくる。

然后,他们通过作为商人所建立的人脉,拥有覆盖从九州到北关东的传达手段。即使不冒生命危险去战斗,只要在商业上获得金钱利益,也会有人自然而然地回归商人身份。

この一連の流れにこそ、信長の埋伏の毒が込められていた。

这整个过程中蕴含着信长的伏击计策的毒计。

雑賀衆は意思決定を、各勢力の代表たちによる合議制に委ねていた。雑賀党と太田党の二大派閥こそあるものの、他にも有力な勢力が群雄割拠し、勢力の代表を輪番制で務めていたと言われている。

雑贺众将决策委托给各势力代表合议制。虽然有雑贺党和太田党这两个大派别,但也有其他强大的势力群雄割据,代表们通过轮值制担任职务。

今までは傭兵稼業に特化することで大きな利益を出していたため、一応の最大多数の最大幸福を追求することが出来ていた。しかし、ここにきて勢力内部のパワーバランスが大きく揺らいでしまった。

现在在这个强大的雇佣兵行业中,我们已经专注于赚取高额利润,以追求绝大多数人的最大幸福。然而,最近内部的权力平衡已经严重动摇。

「織田に与(くみ)する腰抜け共に制裁を!」

“对那些与织田勾结的懦弱之辈进行制裁!”

「何処から流れてこようと金は金よ! この商機を逃さず力を蓄えることが先決ぞ!」

"金就是金,无论从哪里来的流入!抓住这个商机,积累实力才是当务之急!"

「織田の走狗に成り下がったか、雑賀衆の面汚しめ!」

“成为织田家的走狗,污辱了忍者的名声!”

「武器が無ければいくさは出来ぬ! そして武器を揃えるには金が要る。理想や誇りでは、腹は膨れぬ!」

"没有武器就无法打仗!而凑齐武器需要金钱。理想和自豪不能填饱肚子!"

彼らは己の財貨を守るために武装した。しかし、信長は彼が定めた商取引の約束事を守る限り、敵方に与していようとも商人を庇護(ひご)してくれる。

他们武装起来保护自己的财富。但是,信长承诺的商业交易条款只要遵守,即使站在敌人的一方,也会保护商人。

こうして命懸けの割に儲けの少ない傭兵稼業を捨てて、安定した生活を求める派閥と、あくまでも自主独立を貫き、権力者に依存しない生活を続ける派閥に分かれて争いが始まった。

这样一来,为了生命不惜代价却收益微薄的雇佣军行业被抛弃,派系开始分裂为追求稳定生活的一方和坚持自主独立、不依赖掌权者生活的一方,从而开始了争斗。

「やられたな」

“被搞了”

信長が仕掛けた雑賀衆切り崩しの策に気が付いた雑賀孫一だったが、既に遅きに失していた。最早合議を開こうとも、会議が紛糾するだけで何一つ決定することが出来なくなっていた。

織田信长策划的割马山雑贺党混乱计,被雑贺孙一所发现,但为时已晚。即使召开会议也只会导致混乱,无法做出任何决定。

こうなってしまえば寄り合い所帯の脆さが露呈してしまう。それぞれの派閥が、自分達に属する集団を纏めて勝手に行動するようになってしまった。

这样一来,聚会团体的脆弱性就显露出来了。每个派系都开始自行其是地组织他们所属的团体行动。

「立て直しは厳しいか」

"能否重新振作"

険しい表情の孫一に対して、下間(しもつま)頼廉(らいれん)が疑問を口にする。

下间依然疑惑地问着孙一这张严肃的面孔。

「本願寺内部でも僧兵の逃亡が相次いでいると聞き及んでいます。時期を同じくして、雑賀衆の内部崩壊。これを偶然と決めつけるには、些(いささ)か状況が揃い過ぎておりまする」

“我们听说在本愿寺内部僧兵正在频繁逃亡。与此同时,雑贺众也在内部解体。情况过于相似,不可能仅仅是巧合。”

頼廉だけではない。彼の傍に僧形の男が座していた。男の名は恵瓊、信長の失墜を予言した毛利家の外交僧、その人であった。

不仅仅是依靠顾廉。有一个僧侣装扮的男子坐在他身边。这个人叫惠琼,是毛利家的外交僧预言了信长的失败。

三人は焚き火を囲んで向かい合っていた。それぞれに重要な地位を担う人間が、屋内ですらない場所で語り合うという、ある種奇妙な状況が生まれていた。

三人围着篝火坐着,面对面相对而坐。这是一种有些奇怪的境况,各自具有重要地位的人们竟在户外非正式场所畅谈。

頼廉の属する石山本願寺は織田と和睦しており、孫一が率いる雑賀衆の一派も表面上は織田に服従している。直接刃を交えてはいないが、恵瓊の仕える毛利にとって織田は潜在的な敵である。

依赖廉所属的石山本愿寺与织田家和解,由孙一率领的雑贺众派系也表面服从于织田家。虽未直接交锋,但对恵瓊所侍奉的毛利家而言,织田家是潜在的敌人。

彼らが一堂に会すること自体が危険な行為であり、幾人もの商人たちで賑わう野外で世間話を装い、秘密の会合を持っていた。

他们聚集在一起本身就是危险的行为,在许多商人熙熙攘攘的户外交谈时,伪装成闲聊的方式进行秘密的会议。

「織田に一枚上をいかれましたな」

“被织田超过了一步” (Bèi zhītián chāoguòle yībù)

「武力で上回っておきながら、搦め手まで用いるとは、合議制の弱点を突かれたわ」

「明明可以靠武力优势取胜,却还要施展阴谋诡计,这正是击中了合议制的弱点。」

「刃を交えるだけがいくさではないという事でしょう。金を矢として、欲を撃ち抜くいくさもあるのだと思い知らされました。武辺者という噂は当てになりませぬな」

“仅仅是交换利刃,并不是战斗的全部。我意识到,也有以金钱为箭矢,击破贪欲的对抗。武士名声不可靠。”

恵瓊が漏らした呟きに、頼廉は腕を組んで黙考する。会話を主導していた彼が黙ったことで、場を静寂が支配する。時折聞こえる虫の音と、焚き火が爆ぜる音だけが響く。

听到惠琼的喃喃自语,依赖廉交叉双臂陷入沉思。他停止了主导对话,场面陷入了沉寂。偶尔能听到虫鸣声和篝火爆炸声。

頼廉は己の腕を指で叩きながら、目まぐるしく考えを巡らせていた。これから信長が取る行動を予測出来ねば、石山本願寺の挽回は絶望的となる。

依靠廉指着自己的手臂,眼花缭乱地思考着。如果无法预测信长接下来会采取什么行动,石山本愿寺的挽回将变得绝望。

熟考の末に頼廉は一つの仮説を思いついた。

经过深思熟虑,延廉想出了一个假设。

「もしや、織田は自身を囮にしたのか!?」

“难道说,織田利用自己作为鱼饵了吗?!”

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